「武雄温泉 楼門(佐賀県武雄市)」辰野金吾氏の木造建築を復元公開中&武雄温泉新館も!
重要文化財“武雄温泉楼門”
佐賀県武雄市、武雄温泉のシンボル“武雄温泉楼門”へ。(2019.6)
釘を一本も使わずに作られている、国指定の重要文化財(平成17年)で、大正4年に完成したそうです。
東京駅と同じ辰野金吾氏の設計で、建造当時の朱色が復元された保存修理工事(平成25年)の時期に、とても話題になったことを覚えています。
武雄温泉街は何度か訪れたことがありましたが、楼門見学は初めて。
武雄温泉 楼門
武雄温泉に宿泊。
翌朝9時半ごろチェックアウトの手続きをしながら、“武雄温泉 楼門”は見学ができるのかお尋ねすると、「今9時半なので10時まではできますよ」とのこと。
重要文化財を守るために、火曜日以外の9時から10時までの1時間だけ一般公開しているそうです。
旅館から楼門はすぐ目の前で、時間内ならいつでもOKと伺ったので行ってみました!
ちなみに、一般公開は2020年3月30日までの期間限定だそう。
楼門の下にある受付で「武雄温泉にお泊りですか?」と聞かれたので、“懐石宿 扇屋”さんに宿泊したことをお答えすると、「観覧料は300円です。」と。
一般の観覧料が400円なので、宿泊割引です。
受付横の扉から2階へ。
文化財保護のため、壁などには触れないようにお知らせが。
でも、階段は急なので、手すり部分は握れるように防護してありました。
2階に上がると中央にテーブルがあって、資料や模型が置いてありました。
観光案内のスタッフの方が、いろいろ説明してくださいます。
テーブルの上の資料、東京駅八角ドームの天井の写真です。
この八角形は不等辺八角形をしていて、それぞれの頂点に8つの干支が描かれています。
不等辺八角形の長い辺が東西南北の方向で、その中央に描かれるはずの4つの干支がどこにも見つからなかったそう。
子(ねずみ)、卯(うさぎ)、午(うま)、酉(とり)の4つが見つかったのが、辰野金吾氏が東京駅と同じ時期に設計した“武雄温泉 楼門”です。
楼門の修復工事中に発見され、話題になりました。
以前にテレビで知って、見てみたいなぁと思っていた干支の天井画。
天井の4隅に描かれた子、卯、午、酉の彫り絵は北、東、南、西の方角を示していて、絵の部分は通気孔に金色で着色されたものです。
それぞれにハートのモチーフがデザインされているのがわかるでしょうか?!!
子。
卯。
午。
酉。
こちらもハート型デザインなんだそう。
天井は壁との間に隙間があり、四隅の干支の板を正方形にするために、外側の板を長方形にして調整しているとのことでした。
天井の板が縦横交互に向きを変えているのは、強度に配慮したものだと考えられているそう。
同じく、強度の理由から、階段上にも別途天井が設けられています。
武雄温泉新館
続いて、楼門の窓から見える、武雄温泉新館へ。
平成15年の復元工事で、大正初期の姿がよみがえったそうです。
辰野金吾氏により、浴場として作られた“武雄温泉新館”ですが、現在は資料館として無料開放されています。
エントランス正面はお土産ショップ。
右側の通路沿いには、窓際にベンチが並び、その前は女性の大浴場です。
女五銭湯。
当時の番台もあり、とても素敵な照明が取り付けられていました。
浴室です。
深さのある女性用の湯舟には、階段と手すりが取り付けられています。
天井。
何と、不等辺八角形!!
女五銭湯のお隣には、公開されていませんでしたが女十銭湯がありました。
正面入って左側は男性の大浴場。
様々な資料展示の奥に、浴室が。
女性用と同じ作りですが、男性用の湯舟には階段と手すりがありません。
男性用の男十銭湯は公開されていました。
角ばった腰タイルは、佐賀県有田町で工場生産された日本初の工業製品なんだそうです。
入って正面のお土産ショップを抜けて裏手に出ることができました。
美しい朱色の浴場ですねー。
男性浴場の前の階段からは、靴を抜いて2階に上がることができます。
長い廊下に沿って、入浴者の休憩用和室が5部屋。
一番広い和室です!
こちらのお部屋にも、素敵な照明が。
廊下の窓から見える“武雄温泉 楼門”です。
楼門と武雄温泉新館の間の敷地内に、実際に入浴できる温泉もあります。
券売所でチケットを購入して受付へ。
復元された施設、今のうちに!!です。
***武雄温泉楼門***
武雄市武雄町武雄7425番地
0954-23-2001
楼門見学9:00-10:00
(受付09:30まで、火休)
大人400円、子ども200円(元湯入浴券付)
公開期間2020年3月30日(月)まで(期間延長)
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